夢と欲望のコスメ戦争

夢と欲望のコスメ戦争 (新潮新書)

夢と欲望のコスメ戦争 (新潮新書)

女性は、なぜ化粧をするのでしょうか?美しくなりたいからでしょうか?それとも、違った自分に変身したいからでしょうか?

そんな疑問を抱いたことがある男性は、ぜひこの本を読みましょう。

化粧品というのは、本当に不思議な商品です。効果ばかりうたっても売れません。購入に結びつけるためには、付加価値、つまり、容器や広告宣伝やCMキャラクターなどで、イメージを高めていかなければなりません。

しかし、直接肌につけるという前提条件があるために、効果が高くない商品はリピートされません。このような二面性を抱えている商品が、化粧品です。これって、売るのが滅茶苦茶大変そうですよね。

化粧品業界の企業は、こういうわがままな女性を攻略するために、様々な仕掛けを生み出しています。その仕掛けを、丁寧にひも解いたのがこの本です。

そして、化粧品業界をひも解くことで、その時代その時代で女性が求めていたものはなにか、ということまで見えてきます。化粧品業界の仕掛けの歴史をたどることは、女性の思想史をたどることに他なりません。

「女性をターゲットに、何かビジネスを始めよう」という方は、ぜひ読んでおいた方がいいでしょう。女性は「夢」と「欲望」を同時に追える、たいへん器用な存在だということが、ものすごくよくわかりますから。

それにしても、女性にものを売るというのは、女性を口説くのと一緒だよなあ。