カルトになれ!

カルトになれ!~顧客を信者にする7つのルール~

カルトになれ!~顧客を信者にする7つのルール~

80年代後半ぐらいから乱立した、怪しげな新興宗教のおかげで、「カルト」という言葉には、マイナスのイメージがついてまわるようになりました。

私は、昔フジテレビで放送されていた「カルトQ」という番組のおかげで、「濃い」とか「重箱の隅をつつく」とかいったことをイメージしてしまいますけどね。

cultという言葉は、元々は「崇拝」を意味します。「文化」を意味するcultureにもつながる言葉です。この事実は、熱狂的に信じることで文化を作り出してきたのが、人類の歴史なのだということを象徴しています。

この本は、熱狂的なファンを持つ企業が、いかに信者を獲得していったかということを紐解きながら、新しい時代のマーケティングを模索していこうと提案するビジネス書です。例として挙げられるのは、アップル、フォルクス・ワーゲン、ハーレー・ダビットソンなどの企業活動や、「トレッキー」と呼ばれるスター・トレックのコンテンツ展開などです。

この本で採り上げられる事例で共通しているのは、顧客とのコミュニケーションを、熱意を持ってとっていた企業が「カルト」になっていったということ。商品のファンではなく、企業のファンにしていったのですね。そして「信者」となった顧客が、企業を「儲け」させるのです。

この本を読んで、私が強く感じたのは、「カルト」にするためには「継続」が大事なんだよなあ、ということ。瞬間的なブームは、いつかは廃れてしまいますからね。「流行らず廃れず、これ大事!」と、あの及川光博氏も言っていましたし。